Experimental evidence for compositional syntax in bird calls
http://www.nature.com/articles/ncomms10986
シジュウカラには文章を作る能力があるという論文。鳥が好きで、数か月前にこの記事を見かけて気になっていたものの詳しく調べる機会がなかったので読んでみた。
シジュウカラは鳴き声を組み合わせて、「警戒しろ(scan for danger)」、「集まれ(approach the caller)」、「警戒しながら集まれ」というメッセージを作ることができる。これを確かめるために以下の2つの実験を行った。
実験1 鳴き声にはABCのパターンとDのパターンが存在し、それらをスピーカーで再生して実験を行う。ABCのパターンを単独で再生した場合はシジュウカラたちは首を水平にふって周辺を警戒しだした。Dのパターンを単独で再生した場合には、スピーカーの方に集まってきた。そして、ABC-Dの組み合わせに対しては、周辺を警戒しながらスピーカーに近づいてきた。
実験2 ABC-Dの組み合わせではなく、D-ABCの音声を再生してみたところ、シジュウカラたちは上記のどの反応も示さなかった。この結果より、シジュウカラたちはABC,Dのそれぞれの要素ではなく、組み合わせの順序(note-ordering rules)を正確に認識して行動していることが分かった。
チンパンジーやイルカなどの哺乳類も鳴き声でコミュニケーションを取っていると思われる行動は見られるが、正確に言語能力とまで言えるほどの能力を備えているのは、現在分かっている限り人とシジュウカラのみとのこと。自分はてっきり他にもいると思っていたので驚いた。
シジュウカラには他にも10種類以上鳴き声のパターンを持っており、そのパターンは175種類にも上る。今後研究が進んで、まさかのシジュウカラリンガルが誕生してくれれば、バードウォッチングが楽しくなりそう。